STORY
神戸の西のほうにある、
板宿駅から北へ徒歩15分ほど。
商店街をぬけ緩やかな坂道をのぼってゆくと、
山あいに私たちが『板宿山手』と呼ぶエリアがあります。
そこで幼少期から生活をしてきた弊社代表は、
地主であるその家業を守りながら、
建築家となりました。
愛着のある板宿山手エリア。
だからこそ、建物の老朽化や
地域住民の高齢化や空き家問題など、
近年各地でみられる住環境にまつわる課題が
このエリアにもまたあるということに
目をそむけずにはいられませんでした。
従来の賃貸業を営む地主は、
ひとつの土地をいかに有効活用するかを考え、
めいっぱい家を建てることが多いでしょう。
しかし、地主だからこそまち全体を
より良く育てていくような
家づくりができないか、
2013年、そう舵をきり始めました。
1級建築士でもある弊社代表を
プロジェクトリーダーとし、
大学の教授、若手建築家や地元学生と
チームを組み、夜な夜な議論を重ねました。
「もっと光を取り込む大きな窓にして、
夜は室内の明かりがまちに溶け込むといいなぁ」
「この駐車場は、タクシーやトラックが
Uターンする場所になっているから
残しておこう」
少しずつ、まちを理解し、想い、見守り、
育てる家たちが増えてゆき、
そして、2018年の秋、
まちを見守ってくれる家たちへの敬意も込めて、
この取り組みを「家たちづくりプロジェクト」と
名付けました。
私たちは、家たちづくりで、
新しいまちのあり方を示したい。
このまちに暮らす人だけではなく、
興味を持ってくださる人にも。
家たちを通して、まちのあり方を考える
きっかけをつくることに挑戦していきます。